投資信託の実質コスト計算方法を解説


意外と簡単


インデックス投資家にとって、信託報酬と実質コストの安さは非常に気になるものですね。
信託報酬については目論見書に記載されているので一目瞭然ですが、実質コストは「何%です」と記載される事は無く、運用報告書に記載された内容から投資家自身が算出しなくてはなりません。

自分で計算と言われると面倒に感じてしまいますが、新しい運用報告書が発表されるやいなや、多くの投信ブロガーが実質コストを計算し記事を書きますので、わざわざ計算しなくても確認することができます。
まったく便利な世の中です。

しかし、ちょっとマイナーな投信であった場合には、ブロガーが実質コストを算出していないという可能性もあります。
また、自分の投資先の実質コストがどの程度かかっているのか、自ら計算できて損することはないはず。

と、いうことで投資信託の実質コストの計算方法を解説します。
意外と簡単ですよ。

そもそも実質コストとは?

目論見書に記載されている信託報酬とは、委託会社(投信を運用する会社)、販売会社(販売する証券会社など)、受託会社(信託銀行)の3社へ支払う報酬の事を指します。

実質コストとは上記の信託報酬に、運用に必要な費用(売買委託手数料、有価証券取引税、監査費用、その他費用)を加えたものとなります。
これらの費用は運用状況により変化しますので、目論見書には記載されません。

実質コストの計算方法


例として、〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ外国株式インデックスファンドの1万口あたりの費用明細で見てみましょう。
どんな投信でも、書式は異なっても同様の明細が運用報告書全体版に記載されているはずです。

中身を見ると、信託報酬が54円、売買委託手数料が1円、有価証券取引税が3円、その他費用が14円と、1万口あたり計71円の費用がかかった事が分かります。

54円(比率0.421%)の信託報酬。これが、目論見書に記載されている年間信託報酬率(税込み)に相当します。
ニッセイ外国株式インデックスファンドの引き下げ前の信託報酬ですので、税込み0.2592%相当が54円というこです。

そして、合計金額の71円(比率0.557%)が実質コストとなります。

信託報酬、実質コスト、年間信託報酬率これを、以下の式に当てはめます。
実質コスト(比率%)÷報告書信託報酬(比率%)×目論見書信託報酬(%)=実質コスト(%)

実際に計算してみると
0.557÷0.421×0.2592=0.3429%

実質コストは税込み0.343%となります。
また、税抜き実質コストは消費税8%分を抜いて
0.3429÷1.08=0.3175%

実質コスト0.3175%(税込み0.3429%)と計算できました。
これで実質コスト計算し放題ですね!


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