インデックス投資における複利とは?


何なのか。


インデックス投資における資産増加の仕組みとして、複利効果が挙げられますね。

福利効果をザックリ説明すると、
10%の利率で元本1,000,000円を運用した場合。
1年後には10%の利子がついて、1,100,000円となります。
2年後には前年に受けた100,000円の利息にも利息がつきますので1,210,000円に。
その調子で3年後には1,321,000円、4年後には1,453,100円と、利息が元本に組み込まれる事で雪だるま式に増えていくというものです。

私が読んだいつくかの書籍にも、インデックス投資は複利効果によって雪だるま式に資産が増えていくのだと記されておりまして、それはそれはなんて素晴らしいのだと感銘を受けたものです。

しかし、よくよく考えるとちょっと疑問に感じませんか?
私、資産が福利で増えてる気がしないんですけど。

もちろん私は投資を始めて間もない初心者ですから、恩恵を受けるのはまだまだ先という事は重々承知なのですが、それでもインデックス投資をしていて複利の効果、というかその存在を感じることがありません。

例えば銀行預金については、先程の説明で納得できるのですよ。
預金金利が上がった下がった(最近は下がる事しか聞きませんが)とニュースでも話題になりますし、子供の頃から預金すると利息がつくのだと言われて育ちましたからね。

一方で、インデックスファンドの複利効果とは一体何なのでしょうか?
投資元本に利息がつくわけではありませんし、損益の基となる指数の上下は福利と関係ありません。
分配金はファンドの資産を切り崩しているだけですから、再投資したとしても元に戻っただけで増えているわけではないですよね。

どこにも福利の要素が無いのですが・・・。

指数に隠れていた複利

eMAXIS TOPIXインデックス マンスリーレポートより引用

これは、あるインデックスファンドの月報に記載されていたチャートです。
ファンドの基準価額がベンチマークを上回るリターンを出しており、その差は年々開いていますね。
インデックスファンドは指数に連動することを目的としているのですから、信託報酬分下回ることはあっても上回る事はまずありません、配当込み指数であれば。

そうです、これは「配当を含まない」指数とインデックスファンドの基準価額の騰落を比較したチャートになります。
ファンドが保有する株式から配当金が支払われ基準価額に組み込まれたため、その分ベンチマークを上回るリターンを得ているのですね。

基準価額に組み入れられた配当は、(分配金を出さない限り)株式に再投資されます。
するとまた株式から配当金が支払われて、基準価額に組み入れられて、株式に再投資されて、配当金が支払われて・・・まさに複利!

普段配当込み指数をベンチマークとするファンドに投資していると、この配当部分が見えなくなってしまうのですが、ちゃんとありましたね、複利効果。

複利の元は

ちゃんと複利効果があることが分かって一安心したところですが、配当金というのは毎年同じ額を受け取れるものではありません。
企業活動の結果、発生した利益の一部が株主に還元されるものですから、多くの企業が利益を出せばより多く、赤字の企業ばかりであればより少なくなります。
毎年利益を出し続けるということは企業努力はもちろん、経済の成長も不可欠ですから、インデックスファンドは経済成長の一部を享受しているという事になりますね。

インデックス投資は複利効果で資産を増やす、経済成長の恩恵を受けると本などで読んできましたが、やっとその意味を理解することができました。
株価の上げ下げというのは勿論気になるポイントですが、経済の成長という点にも注目していきたいと思います。


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